「やりたいこと」をやる前に「やりたくないこと」をやらなければいけない理由
こんにちは。
さくら人材コンサルティングの伊藤明美です。
近年、企業様との打ち合わせにて
「最近の新入社員は『やりたいことじゃなかった』と言ってすぐに辞めてしまう傾向がある」
というご相談をよくお聞きします。
またその新入社員の姿勢に耐えられず、ついきつく当たってしまう上司もいて
それですぐに「パワハラだ」と言われてしまうことがある、とのこと。
私はここ最近の新入社員研修では
私と歳がはるかに離れた新入社員の子たちがもう子供のように可愛く感じていますが(笑)
「やりたいことじゃなかった」と言って辞めていく新入社員も多く見てきました。
最近では、新聞の記事でも「新卒は3年以内に3割が辞める」というデータなども
取り沙汰されています。
私は、会社員時代、責任者として日々、部下も指導をしていましたが
基本的に「この仕事はやらない」はありませんでした。
コピー1枚でも、資材の大量印刷でも、ホッチキス止めでも
他の講師の日程調整でも、本来であれば若い社員がやるであろうことでも
皆が忙しく、私がやることで周りが助かるのであれば何でもやるというスタンスでした。
部下が研修講師に登壇するときで、自分の方が時間に余裕があるときであれば
書類1枚を人事部へおつかいで持っていくことさえやりました。
それも、部下からは頼みずらいでしょうから、自ら「それやろうか?」と声をかけます。
案外、そういう地味な仕事ほど、仕事の真髄が隠されているものです。
コピーをすることで、「こんな会議、プロジェクトが行われているんだ。」と把握できたり
お茶出しをすることで「常務はこういうやりとりで会話を始めるんだ。今こういうビジネスが始まってるんだ」とか
人事部へおつかいをすることで、久しぶりに会う人と会話が出来て後にそれが何かを依頼するときに役立ったりとか
大量の印刷をすることで、本当にそんなに資料が必要か見直せたりとか
実は様々な情報収集ができたり、役立つことが多いのです。
お茶出しをすることで役員クラスの方がどのような物(時計、ボールペン)を身に着けているかが分かり
接遇営業研修の時などでも大いに役立ちました。
部下の仕事は、通常、上の人間がやらないので、無駄な仕事やフローがあっても気付きにくいのですが
自らがやることで、このフローは無駄ではないか?
この仕事はもっと簡略化できないか?など
部署全体の仕事についても常に見直すことも可能になります。
ですから、そいういう地味な仕事こそ、気づきも多くとても大切だと思っています。
つまり「やりたくない仕事をやる」からこそ
「やりたいことが出来るようになる」のです。
やりたくない仕事の中から様々な情報収集が出来たり
効率的な方法を生み出したりすることが出来るようになったり
普段話すことのない人と話してコミュニティが生まれたりします。
そうやって様々なことを思いつき
新たなコミュニティができたりして
やりたいことが実現できるようになってくるのだと思います。
特に営業の世界はとても大変です。
私も最初の保険営業のときはどんなに辞めたいと思ったことか。
でも「やりたくない仕事」をやってきたからこそ、
今「やりたいこと」が少しずつ出来るようになってきたのだと感じています。
当時パワハラやセクハラを受けていたことが、まさかこのように仕事につながるとは
夢にも思っていませんでした。
こんなことを、今年の新入社員ではお伝えしました。
とてもシンプルな話ですがメモをとっている新入社員がとても多かったです。
ただ「目の前にあることをやれ!」というマネジメントではなく
「やりたいこと」をやるために
「目の前にあるやりたくないこと」を頑張ってやる。
そうすると、ふと気づいた時に、自分のやりたいことが
少しずつ可能になってくる。
こういったこと伝えていくことがハラスメントとならないマネジメントに繋がっていくのだと思います。
まだまだコロナ渦で新入社員の方々も大変な世の中ですが
頑張ってほしいと思います。
伊藤明美
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