ハラスメントを無くすために一番大切なこと
――それは「トップの本気度」です

In ブログ by actrate_sample

こんにちは。
さくら人材コンサルティング株式会社の伊藤明美です。

企業でハラスメント対策を進めていく中で、

「まず何から手をつけたらいいですか?」
「研修と相談窓口のどちらを優先すべきでしょうか?」
「ハラスメント防止規程の見直しは必要ですか?」

そんなご質問をいただくことが本当に多いです。

確かに、ハラスメント対策には

  • 研修
  • 相談窓口
  • 規程整備
  • 就業規則への明記
  • 記録の保存
  • 管理職教育

など、さまざまな取り組みがあります。

しかし、私がこれまで数百社以上の企業支援に携わる中で、
どんな企業にも共通して“最も重要だ”と
確信していることがあります。

それが 「トップの本気度」 です。

■トップの本気度が“職場の空気”を変える

これまでご支援してきた企業様の中で、
ハラスメントが明らかに減り、
職場の雰囲気がガラッと改善した企業には
ある共通点がありました。

それは、

社長自身が「ハラスメントを本気で無くす」と
覚悟を持っていること。

単に「研修をやっておけば安心」
「形式的にルールを作っておけば大丈夫」

そんな“やってる風”の対策ではありません。

トップが心から

「うちは絶対にハラスメントを許さない」
「社員を守りたい」
「安心して働ける会社をつくりたい」

そう思って動いている企業は、例外なく成果が出ます。

■社長が研修に参加する企業の強さ

特に印象的なのは、
ハラスメント研修に 社長自らが参加なさる企業 です。

私は全国でハラスメント研修を実施していますが、
社長が一番前の席に座り、メモを取りながら聞いてくださる企業では、
社員の姿勢が明らかに違います。

  • 社長が参加しているから“真剣さ”が伝わる
  • 「これは会社の方針なんだ」と腹落ちする
  • 「他人事ではなく自分事」と捉える
  • ルールが実際に運用されはじめる
  • 相談件数が適切に増える
  • 管理職が動き始める

こうした変化が、ほぼ確実に生まれます。

ある企業では、社長が研修冒頭でこう話しました。

「私は皆さんの働く環境を守りたい。
ハラスメントは“絶対に許さない”という
会社にしたいと思っている。

今日の研修はその第一歩です。
一緒に安心して働ける会社をつくっていきましょう」

その一言だけで、会場の空気が変わりました。

人は、制度ではなく 人の姿勢 に動かされるのです。

■ハラスメント対策が“形骸化”する企業の共通点

一方で、制度だけ整っているのに
機能していない企業もあります。

  • 相談窓口があるのに社員が利用しない
  • 管理職が「うちは関係ない」と思っている
  • ルールがあるのに浸透しない
  • 研修が毎年「やらされ感」で終わる
  • 職場の空気が変わらない
  • 結局ハラスメントが繰り返される

これらの企業に共通するのは、
トップが無関心、もしくは“形式的には賛成しているが
自分事ではない”状態

です。

社員は、トップの“本当の気持ち”を敏感に感じ取ります。

「やれと言われたからやっているだけだな」
「本当はそんなに重要だと思っていないな」
「結局、現場任せなんだろうな」

そんな空気がある中では、
どれほど立派な制度があっても効果は出ません。

■人は「言葉より行動」を見ている

心理学の世界には

「言葉より行動の影響力が大きい」という原則

があります。

社長がどれだけ良いメッセージを出しても、
行動が伴っていなければ社員には響きません。

たとえば

◆社長が「相談していい」と言うのに
実際に相談が上がると冷たく扱われる

◆「ハラスメントは許さない」と言いながら
問題のある管理職を放置している

◆「安心して働ける環境にしたい」と言いながら
圧迫的な評価制度が残ったまま
社員は、こうした矛盾を瞬時に感じ取ります。

逆に、トップが行動すると、
社員はすぐにつられて動きます。

  • 社長自ら研修に参加
  • 社長が自分の失敗談も話してくれる
  • “相談は会社として受け止めます”と明言
  • 問題が起きたときに素早く動く
  • 改善策を現場と一緒に作る

こうした姿勢は、
どんな制度よりも強力なメッセージになります。

■ハラスメントの背景には“職場の空気(心理的安全性)”がある

ハラスメントが起きる職場には、
必ず 心理的安全性が低い空気 があります。

心理的安全性とは、

  • 意見を言っても否定されない
  • 誰でも相談できる
  • ミスを責められない
  • チームとして互いを尊重している

といった環境のことです。

逆に、心理的安全性が低い職場では、

  • 強い人が発言を独占
  • 弱い立場の人が黙る
  • 間違いを恐れて本音を言えない
  • 間違いを隠す文化ができる
  • 相談をためらう
  • 管理職が怖くて相談できない
  • 見て見ぬふりが常態化する

こうした雰囲気が、
ハラスメントの温床になります。

そして、この“空気”を変えられるのは、
現場ではなく トップ です。

■なぜトップのメッセージは強力なのか?(心理学的な理由)

トップの一言が職場の空気を変える理由は、
心理学的にも説明できます。

①社会的影響力(Social Influence)

人は、立場の高い人の言動に強く影響を受けます。

社長の一言は、
ただのメッセージではなく「企業の意思」になります。

②規範の形成(Norm Setting)

ハラスメント防止は「ルール」ではなく「文化」です。

文化はトップの価値観と言葉からスタートします。

③心理的契約(Psychological Contract)

社員は、社長の言葉を

“企業としての約束”

として受け取るため、意識が変わります。

④モデル行動(Role Modeling)

社長が研修に参加するだけで、
管理職の参加姿勢も100%変わります。

人は「行動を目で見て学ぶ」生き物だからです。

■トップが本気の企業で起きた“劇的な変化”事例

ここでは、私が実際にサポートした企業様で起きた
変化の一部をご紹介します。(匿名加工)

●事例1:社長が研修冒頭で本気のメッセージを話した会社

その瞬間、会場が静まり返り、
社員の顔つきが変わりました。

研修後、相談窓口への相談件数が急増。

「実は相談したかった」
「言えなかったことが言えた」

という声が多数寄せられました。

●事例2:問題管理職の異動を社長が決断

数年にわたって問題視されていた管理職がいましたが、
社長が「社員の声を大事にしたい」と決断。

その後、

  • 離職率が大幅に改善
  • 部署の雰囲気が明るく
  • 新人が定着

という変化が短期間で起きました。

●事例3:社長が相談窓口の“利用推奨”を宣言

その結果、相談件数が増加し、
ハラスメントの芽を早期に摘む仕組みが機能し始めました。

■逆に、トップが動かない企業では何が起きるのか?

  • 表面上は静か
  • でも実は問題が深刻化
  • 遅れてから大きなトラブルになる
  • 退職者が出て初めて気づく
  • 訴訟リスクが増加
  • “見えない離職”が進む

中でも一番怖いのが、
社員が「どうせ言っても無駄」と諦めてしまうこと です。

そうなると、問題は表に出なくなり、
静かに職場が崩れていきます。

■では、企業は最初に“何をすればいいのか?”

結論はシンプルです。

まず、社長からトップメッセージを発信する。

これだけで職場は変わり始めます。

トップメッセージの例

「当社は、ハラスメントを許しません」
「社員一人ひとりの安心・安全を守ります」
「相談があれば必ず会社として受け止めます」
「管理職は率先してハラスメント防止に取り組んでください」
「一緒に、安心して働ける職場をつくりましょう」

このような言葉を社長自らの声で伝えるだけで、
社員の受け取り方は大きく変わります。

■トップメッセージに続けて実施すべき3つのポイント

(1)社長が研修に必ず参加する

社長が研修に出ない場合、
社員は本気度を感じ取れません。

(2)相談窓口の利用を積極的に推奨する

「相談してもいい」ではなく、
「相談してほしい」と明言することが重要です。

(3)問題が起きたとき“最初に”動く

  • 問題を放置しない
  • しっかり事実確認をする
  • 必要であれば人事と連携する
  • 改善策を素早く打ち出す

迅速に動けば動くほど、
社員は「守られている」と感じます。

■まとめ:ハラスメント防止は「トップの覚悟」から始まる

ハラスメント対策には多くの要素がありますが、
最も大切なのは 制度でもマニュアルでもなく、
“トップの本気度” です。

  • トップが参加する
  • トップが発信する
  • トップが姿勢を見せる
  • トップが決断する

この4つが揃ったとき、職場は必ず変わります。

ハラスメントは“社員の問題”ではなく、
会社の文化や仕組みが生んでいることも多いもの。

だからこそ、トップが率先して動くことが、
最大の防止策になるのです。

私たちは、そんな企業の「本気の取り組み」を
全力でサポートしています。

「うちも本気で変わりたい」
「どこから手を付ければいいかわからない」

そんな企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

安心して働ける職場づくりは、
社長の一歩から始まります。

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